人命の価値について話したらキレられた

最近買ったJusticeには、1人の命を犠牲にして5人の命を救うべきか、といったシビアな例題がたくさんでてくる。読んでいたら、以前通っていた英会話スクールの先生を思い出した。

英会話スクールは毎週土曜日だった。その日はたまたまペルー大使公邸事件終結した翌日とかだったので、事件をテーマにしたフリートークがはじまった(もう14年も前なのか・・・)。
先生は、人質救出作戦において、テロリストの一人が10代の女の子であるにも関わらず殺されたことについて、ものすごく怒っていた。私はショボい英語力でがんばって反論した。
「人質や兵士の安全を確保するためなら、テロリストを殺すのは仕方がありません。兵士の命はテロリストの命より重要です。少なくとも、指揮官はそう考えるべき(should)です。」
この意見に、先生はキレた。あらゆる人の命の価値はみな等しいんだ。君は'should'の意味を勘違いしてないか。そう考えるべき、っておかしい。とにかく人命の価値は絶対に等しいんだ。
先生の信念は固いようだったが、さすがにおかしいだろうと、私は思った。
「人命の価値がみな等しいわけがないじゃないですか。あらゆる人の命の価値が等しいんだったら、こういう状況を考えてみてください。
あなたは、2つあるボタンのどちらかを押さなくてはなりません。ボタンAを押したら、10人の凶悪犯罪者が死にます。ボタンBを押したら、あなたの大事な人が1人死にます。あなたはどちらを押すんですか。さすがにボタンAを押しますよね。凶悪犯罪者のために、大事な人を犠牲にすることはないですよね。つまり、あなたにとって大事な人の命は、10人の凶悪犯罪者よりも価値が高いんですよ
だいたい、あなたは殺されたテロリストが10代の女の子であったことに怒ってましたよね。じゃあ、30代の男性だったらよかったんですか。だとすると、命の価値を区別しているのは、あなた自身じゃないですか。
私が兵士だったら、テロリストと兵士の命を同一視するような指揮官は願い下げです。ましてや、女の子のテロリストを特別扱いするような指揮官は死ねばいいと思います。」
・・・とか言いたかったのだが、英語力不足で無理だったので、ジャパニーズスマイルでごまかしてしまった。

先生元気かな。ハーバード白熱教室を見たり、Justiceみたいな本を読んだりしてくれてるといいな。

自分の意見は、当時から何も変わっておらず、ある意味進歩がない。Justiceを読み終わるまでに変わってたりすると楽しいだろうな。