Birthright: The Book of Man あらすじ(プロローグ、共和制)

マイク・レズニックBirthright: The Book of ManKindle版を購入。レズニックのバースライトユニバースシリーズのベースとなる連作短編集。面白いと思うんだけど未訳なので、勝手に作品紹介的なあらすじを書いてみる。

プロローグ(Prologue)

地球人類の宇宙進出は、停滞しつつも確実に進み、25世紀に太陽系全域に進出、27世紀に超光速宇宙船の理論を確立、30世紀には恒星間飛行成功に成功、西暦から銀河暦の時代となった(西暦2908年=銀河暦1年)。
数々の異星の知的生命体とも遭遇するが、人類に対抗できる勢力はなく、いまや1400もの惑星からなる「共和制」を確立した人類は、銀河文明の支配者と言える存在となった。それでも銀河にはまだ未開拓の領域にあふれており、人類社会の膨張はとどまるところを知らない。

第1の千年紀: 共和制(Republic)

銀河暦264年 開拓者(The Pioneers)

共和制から委託を受けた開拓者達が、資源を求めて未知の惑星を切り開く時代。開拓者のネルソン達が派遣された惑星は、豊富な資源を含有しているものの、着陸すらできない灼熱の惑星だった。資源星開拓を断念しかけるネルソン達。しかし調査の結果、そんな灼熱の星の地下にすら、生命が存在することが発覚する。本当にこの星から資源を採取する方法はないのだろうか?

銀河暦332年 地図学者(The Cartographers)

銀河に版図を広げる人類にとって、星々の情報を握る地図管理局が、実質的な権力を握ることとなった。資源星侵略の戦略策定までも、彼らの手中にある状態。そんな中、開拓者を祖先に持つ軍人のネルソンは地図管理局を訪れ、彼らの権力の根源ともいえる驚異的な施設を目撃する。

銀河暦396年 坑夫(The Miners)

資源調達は共和制の生命線である。しかし、資源採取を担う坑夫たちは、その苛酷な労働条件にもかかわらず、劣悪な待遇に甘んじていた。この状況を抜本的に打破するために、コールマン青年は数百の資源星の坑夫達をまとめあげ、密かに巨大な坑夫組合を作りあげる。15年の潜伏期間を経て表舞台に現れた彼らは、文字通り命がけのストライキに挑む。

銀河暦588年 心理学者(The Phycologist)

とある資源星にて、順調に資源を集めていた人間達を、突如として原生生物が襲撃した。
彼らは知性を持っているのか、数ヶ月の間おとなしかった彼らがなぜ凶暴化したのか、謎は深まるばかり。共和制政府は、知的生命体でないのなら、危険な獣である彼らを駆除してしまう方針を決める。知性の存在を証明し、彼らを虐殺から救うために、心理学者コンスエラ・オルタが奮闘する。

銀河暦962年 商人(The Merchants)

多数の異星分明を共和制の経済圏に組み込むことで、軍事力を消耗せずに、事実上の植民地支配を行う人類。通商戦略を担う官僚ンガガは、通貨の概念を持たない無い文明まで、どうにかして貨幣経済を導入させてしまう程の有能なスタッフだ。
しかし、共和制の急激な膨張故に、人類の一極支配体制にもほころびが出る。いまや異星文明の合計GGP(GNPみたいなもん?)は共和制の過半となり、ついに彼らも参政権を求め始める。ンガガの祖先はアフリカ人で、2000年前には他国に支配された歴史を持つが、それでも彼は政府のスタッフとして人類の覇権維持を重要視する。ンガガの取った戦略とは?

→ 第3の千年紀、民主制(Democracy)につづく。第2の千年紀には、スターシップ<海賊>とかパラダイスとか、いろいろあったはずなんだけど、「Birthright: The Book of Man」では、ばっさり省略される。