Birthright: The Book of Man あらすじ(独裁制)

マイク・レズニックBirthright: The Book of ManKindle版を購入。レズニックのバースライト・ユニバースシリーズのベースとなる連作短編集。読みながら、作品紹介的なあらすじを書き中。
分量的には、これだけバースライト・ユニバースのことを書いてるところは他に無いと思うんだけど、なぜかGoogleでヒットすらしない。トップに来る予定だったのにおかしいなぁ。

今までに書いた部分。

今回は、独裁制の時代。

第7の千年紀: 独裁制(Monarchy)

銀河暦 6321年 支配者(The Rulers)

独裁制」は公式には5994年の混乱の中で発足したことになっているが、世襲による支配体制が固まったのは6067年のことだった。銀河系のほぼ全であるその国は、コモンウェルス(共和国)と呼ばれたが、その実態は人類による巨大帝国に他ならなかった。事実上の皇帝である代々のディレクターは、恒星間航行を可能とする小惑星であるフローティングキングダムから、コモンウェルスを治めていた。
この時代、官僚機構は健在であったが、最終的な権限をディレクターのみが持つために、決裁の遅延が深刻な事態を引き起こしていた。6319年に30台の若さでディレクターに即位したヴェストリアン1世は、決済の遅延から戦争が勃発するのを目の当たりにし、大胆な権限委譲による制度改革に挑む。

銀河暦 6400年 共生生物(The Symbiotics)

銀河系全域を支配した人類が目指すのは、もはや別の銀河しかない。ディレクターの強大なる権力を背景に、アンドロメダ銀河への進出プロジェクトが計画され、わずか11年でアンドロメダまで到達できるエンジンが開発された。
アンドロメダへの旅において人類と同行することになったのは、アメーバ状の異星人であるハンク人。彼らは二酸化炭素を吸い酸素を吐き、人間の排泄物を取り入れ栄養素を生成するのだ。新型船は速度は出るがペイロードが足りず、食料や酸素を十分に積むことができないため、人類とハンク人は理想的な共生関係を築けるはずだった。
しかし人間の乗組員達は、ハンク人との同行を頑なに拒んだ。理由を語らない彼らを、ハンク人を研究する生物学者のバートルが説得する。

銀河暦 6599年 哲学者(The Philosophers)

人類の叡智が結集する、アリストテレス大学。惑星アリストテレス全体が学術の星である。
哲学が科学と融合する時代であり、哲学ですら実用性を求められ、過去の哲学者達が否定される傾向にあった。
そんな中、後世から人類最後の偉大な哲学者といわれている哲学者ベロアは、実用だけを追求する風潮に警鐘を鳴らす。

#この話は、正直意味がわからなかった。

銀河暦 6746年 建築家(The Architect)

ほぼ真空である惑星デルロスⅣに、あらゆる異星人が集まる事を想定した最高の建築物が企画された。高さ2km、敷地3x4km、フロア毎に環境を調整することができ、どんな種族でも適応可能。
しかし、異星人の事を考えているようで実は人間本位な設計や、建築とは無関係な政治的な不満が原因で、どの星もこの建物に代表を送らないと言い始めた。この建築プロジェクトをなんとしても活かしたい建築家のマローは、星々を行脚して説得を試みる。

銀河暦 6962年 収集家(The Collectors)

共和制から民主制時代のハンドガンを中心とした武器のコレクター、ミルザムⅩの統治官セリムンド。
ある日かれを訪れた古物商は、古い時代の銃火器をセリムンドに預ける。魅力的なアイテムを検分するために銃を分解した彼だが、こんな骨董品にも関わらず最近利用した形跡があった。コモンウェルスが把握していない反乱勢力が増えつつあるのではないか? 忠誠はコモンウェルスにささげるべきだが、武器マニアとしてはこの古物商を手放したくはない。迷ったセリムンドの取った行動とは。

銀河暦 7019年 反乱(The Rebels)

異星人達の中で反乱の機運は確実に高まっていたが、しかし圧倒的な軍事力を誇るコモンウェルスに、異星人勢力のみで対抗するのは難しい状況であった。
しかし、人類の中にもコモンウェルスに不満を持つもの達は多数存在した。そのうちの一人、軍の将校であるロラン・ベアードは、異星人勢力を代表するカンファー人ブラスティリオスと密談し、史上類を見ない人類と異星人の反乱同盟による、コモンウェルスの転覆を試みる。

#「史上類を見ない」とか言われたら、5000年ちょっと前のコール船長の活躍はどうなんだろうとか思った。

→ 一万年すっとばして、第17の千年紀、無政府制(Anarchy)につづく。多分「独裁制」までは前座で、「無政府制」こそが主題なんだと思う。まだ全部読んでないけど。