ダメなソフト開発V3.0

(フィクションです)

昨日の続き。

あるソフトの次期バージョンの開発をまた命じられたとする。たとえば、ウクレレの曲を自動的に作曲するソフト。

V2.0もまともな曲を作れなかったので、エライ人たちもさすがにイライラしてきた。このソフトはちゃんとした曲が作れないんじゃないか? 三ヶ月後までに次期バージョンを作れ、使えるものにならなかったら開発を打ち切る。

こんどこそ本質的に改善するチャンスか? しかし、エライ人たちの考えることは違った。いわく、本格的な運用を考えたら、短時間でたくさんの曲を作らなくてはならない、とのことだ。まともな曲も出力できないのに、本格運用のことを考えてる。さすがに出世した人たちはビジョンが違うね。

そして、エライ人たちはアイデアも提供してくれた。並列処理で作曲速度を上げたらどうだ?。それだけじゃない。一度作った曲を再利用する仕組みはどうだ。いいアイデアだろ。計算量が画期的に減るぜ?

まともな曲も作れないのに、曲の再利用を考えるなんて・・・とか思うのは凡人の考えだ。エライ人のアイデアなんだから、必ず取り込め。開発スタッフは並列処理と曲の再利用の実装に90%の時間をかけ、残りの10%で作曲アルゴリズムを改善した。

そろそろ期限だ。やっと少しだけ良い曲が作れるようになってきたが、まだまだだ。

もともとスジの良い話ではなかった。開発打ち切りならそれでいい。しかし、リソースの配分次第では、もう少しどうにかなったかもしれないのになぁ。

この後どうなるんだろう。何年後かにこのグチを読み返してみたい。