Starship: Flagship

Starship: FlagshipKindle版を購入。
Starship: Rebelの続編、シリーズ第5巻で、おそらくは完結編。訳されれば、多分スターシップ〈5〉旗艦という邦題になりそう。ただ、前巻までに比べて面白くなかったし、訳されるのかどうか心配。

第4巻でインナーフロンティアの勢力を結集し、辛くも共和国軍からシンガポールステーションを守ったコール船長。敵味方の多大な犠牲を見て、共和国そのものに切り込む決意をする。

数百万の軍艦を擁する共和国軍に対し、千隻程度のコール船長たちは、直接戦闘を避け、情報戦により政権を揺さぶる。これが功を奏し、共和国首相の支持率は10%を割り、宿敵スーザンガルシア提督も罷免される。満を持して首都星デルロスⅧへの侵入を果たし、首相と対峙したその時、謎の軍団が首都星の空を覆う。ガルシア提督がいない今、共和国軍の旗艦となるのは・・・

ご都合主義な展開がこのシリーズの売りだし、それを期待して読んできた。しかし、今回のやつはご都合主義というより支離滅裂だった。情報戦で敵を失脚させる展開は痛快だったが、その後がひどかった。ショボい作戦で首都星への侵入を果たすのは、ご都合主義の範囲としても、その後に出てくる謎の軍団。なんの伏線もなしに、突然そんな連中を出さないでくれ。それに、ガルシア提督を罷免したからって、よりによって奴に指揮をゆだねるな。数百万隻を要する宇宙最強軍のくせに、どれだけ人材不足なんだよ。そもそも、第4巻までの展開から考えてありえない。

前巻までの爽快さはあまり感じられず、読み終わって虚脱感が残った。

巻末付録にウィルソンコールのブルースという歌が、譜面付きでついてくる。歌詞は1番から5番まであり、それぞれStarshipシリーズの1巻から5巻のストーリーを要約している。これはわりと面白かった。

1番歌詞を引用。

In the time of the Galactic Era
in the year of 1966
Commander Cole had to wrestle control
from the Polonoi running the ship.
And despite his four medals of courage
they court-martialed him anyway.
The men of his crew came to his rescue
and embarked on their own deep in space.

なんというか、みもふたもない。