Birthright: The Book of Man あらすじ(民主制)

マイク・レズニックBirthright: The Book of ManKindle版を購入。レズニックのバースライトユニバースシリーズのベースとなる連作短編集。面白いと思うんだけど未訳なので、勝手に作品紹介的なあらすじを書いてみる。

今までに書いた部分。

今回は、民主制の時代。

第3の千年紀: 民主制(Democracy)

銀河暦2154年 外交官(The Diplomats)

ンガガによる異星人への参政権開放から千年。人類の支配下にある世界は、最盛期の12000から、900にまで落ち込んでいた。それでもなお最大勢力である人類は、今度はゆっくりと地道に勢力を広げていた。共和制における急激な膨張が命取りとなった、その反省から。
外交官ハーマイオニーは、テロンと交戦中のラモルに対して、人類との交易再開を求める。しかしラモル人たちは、かつて人類と交易して悲惨な目にあった過去を、決して忘れてはいなかった。
交易再開を頑なに拒む彼らに、ハーマイオニーは善意をよそおった恐喝作戦に出る。

銀河暦2275年 オリンピアン(The Olympians)

銀河の支配者としての栄光から陥落した人類達にとって、心のよりどころとなったのが「オリンピアン」達であった。彼らは、鍛え上げられた肉体で異星人とスポーツで対決し、勝利し続けることで、人類に誇りを取り戻させようとしたのだ。
オリンピアンの一人である陸上選手、ビッグ・ジョン・ティンスミスの相手は、エムラ人のチャンピオン。足に強靭な筋肉を持つ種族だ。全銀河の5000億人が見守る中、運命の5マイル走が始まる。

銀河暦2469年 弁護士(The Barristers)

100万もの異星人文明において、それぞれ異なる法体系が存在する中、法廷で人類を守ったのは弁護士達であった。
超低温で生きるアトリア人達。彼らの惑星を訪れた不注意な若者が、外気に向かってくしゃみをし、その熱でアトリア人57人を殺害してしまう。アトリアの法律では、故意でも過失でも、人を殺せば死刑しかない。
若者には同情の余地はないが、弁護士のカリノフは、それでも裁判を浮ける権利があると信じている。彼はアトリア人裁判官に対して様々な角度から論戦を挑む。

銀河暦2911年 医師(The Medics)

プナス人が事故で負傷した。医師ダリンスキーは彼の治療を命ぜられるが、そもそもプナス人の治療方法など知らない。プナス人の医師を呼ぶよう求めるが、彼らの種族は人類を疑っており、医師を送るどころか医学情報の提供も拒んだ。
体から生えている、手とも触手ともつかない3本の物体。頭部らしい突起にある4つの穴は、口なのか肛門なのかもわからない。治す方法など見当がつかないが、この患者が死ねば外交問題、ひいては戦争になる。
ダメ元と割り切ったダリンスキーは、イチかバチかの荒治療に賭ける。

銀河暦3004年 政治家(The Policitians)

ジョシュア・べロウズは、人類の復権を公約し、デルロスⅧの知事となった。
デルロスⅧは人類世界における事実上の首都であり、知事は人類のリーダーである。
しかし、本来は穏健派である彼は、当選後1年経過しても行動を起こさなかった。人類社会には不満が蓄積し、政権の支持率は低下。政権スタッフのメルビンヒルは、この事態を打開するためにカンファー星系への侵攻を提言するが、べロウズは拒否する。史上発の全銀河規模の戦争をひき起こすわけにはいかない。
知事に決断を促すために暗躍するヒル。果たしてべロウズの決断は?

#1000年前くらいのお話であるスターシップ<海賊>では、共和制vsテロニ連邦で総力戦をしていた気がするが、あれは全銀河規模じゃなかったんだろうか。

→ 第6の千年紀、寡頭制(Oligarchy)につづく。ここで飛ばされる約2000年の中には、ソウルイーターを追えなどが含まれる。