Birthright: The Book of Man あらすじ(無政府制)

マイク・レズニックBirthright: The Book of ManKindle版を購入。レズニックのバースライト・ユニバースシリーズのベースとなる連作短編集。読みながら、作品紹介的なあらすじを書いてきたが、ついに読み終わった。

いままでの章。

最後は無政府制の時代。

第17の千年紀: 無政府制(Anarchy)

銀河暦 16201年 考古学者(The Archaeologists)

人類の帝国であるコモンウェルスは崩壊したが、かといってその替わりとなって銀河を統べる中央政府は出現せず、銀河は多くの種族の異星人が乱立する無政府状態となった。
ほとんどの種族は人類に無関心だったが、一部の種族はかつて栄華を誇った人類を敵対視し、執拗に攻撃した。16000年代になるころには、人類に残されたのはバラバラに散った約4000程度の星々のみ。デルロス、シリウス、カリバンにもかつての栄光はなく、フローティングキングダムは恒星間移動能力を無くして工場に作り替えられていた。人々の目は過去の栄光に向けられるようになり、考古学者達は地球や初期の植民星を調査していた。
考古学者ブリースは、人類の起源を調べるために地球のセレンゲティ平原を訪れる。そこで彼女が出会った異星人の考古学者ミルナーも、また人類に興味を持つ者であった。二人は異なる種族の視点から、人類の本質について語り合う。

銀河暦 16673年 聖職者(The Priest)

圧倒的な勝者である間は忘れ去られていた「宗教」。敗者となりつつある今、人類は宗教にすがるようになっていた。
若き聖職者の一人ミハルは、荒廃した惑星のひとつラクサーⅡに赴任する。宗教的な理想を信じ、人間は神に赦しを請うべきだと説くミハルだったが、病気の老人や正直な少女との交流を通し、人間の現実を知る。

銀河暦 16888年 平和主義者(The Pacifists)

多くの種族を敵に回し、人類の勢力は弱まり続け、今では僅か500足らずの星、軍事力も50000隻の戦艦を残すのみ。経済力も地に落ちた。それでも異星人に屈するを潔しとせず、大多数の人類は徹底抗戦を続けていた。そんな中、活動家のリパスとトーミは、人類生き残りの策として異星人勢力との講和会議を企画。異星人だけでなく、頑固な人類達も説得し、3年がかりでようやく会議の実現にこぎつけたが・・・

銀河暦 17001年 破壊者(The Destroyers)

カリバン、デルロス、地球、フローティングキングダムなど、残りわずかな拠点を次々に失う人類。わずかに生き残った人々にもほとんど戦力は残っておらず、もはや一方的な狩りの対象でしかなかった。
最後に残った人類、男1人と女3人は、銀河の端の名もない惑星で洞窟に隠れていた。宇宙船は壊され、追手は迫り、食料も底をつく。惑星を吹き飛ばせる爆弾は持っているが、起爆すれば4人とも死に、すなわち人類は全滅だ。偉大な人類の種を絶やすわけにはいかない。男は爆弾を材料に、追手との交渉に臨む。

以上。
なんか読後感がずっしり来る本だった・・・