Birthright: The Book of Man(感想)

マイク・レズニックBirthright: The Book of Man
レズニックのバースライト・ユニバースシリーズのベースとなる連作短編集。
Kindleで読みながらあらすじ紹介を書いてみたが、最初期待していたのとは違う意味で、読後感が重い作品だった。

26個の短編ひとつひとつ見ると、実はたいした事ないと思う。
しかし、共和制から独裁制までの部分を読んでいるうちに「強大な力で他の種族を圧倒する人類」の姿が徹底的に印象付けられるので、その後で「無政府制」における人類没落の様子を読むときの落差がすごい。寂寥感というか、せつなさみたいなものが沸いてきて、なんともいえない気分になった。特に最後の絶望感がたまらない。オチとしては極論続・猿の惑星と大差ないし、決してリアリティのある話しではないのに、不思議な感じがする。
スターシップシリーズとか読むにしても、この世界観に乗っていると思うだけでだいぶ違った印象になったかもしれないと思う。