精子の寿命と女の子産み分け手法

ピンクゼリーがインチキくさい感じなので、今度は精子の寿命を利用した産み分けについて調査。まず、いろんなサイトで述べられているが、手法の要旨。

  • (1) Y精子はX精子より寿命が長い。数値はサイトによって異なるが、例えばY精子は3日、X精子は1日とからしい。
  • (2) 受精するのは排卵日。従って、排卵日時点で精子が死んでいれば、その精子で受精するはずがない。
  • (3) (1)(2)の性質を利用すると、産み分けが可能だ。例えば、排卵日より2日前に子作りすれは、排卵日までにX精子はだいぶ死んでいるはずだ。そうなると、受精の可能性が高いのはY精子、つまり女の子の素だ。女の子を産める確率アップ、産み分け成立!!

話のスジは通ってると思うが、はたしてどうか。X精子とY精子で、実際どのくらい寿命が違うのか、というのがキモだろう。しかし、「精子 寿命 論文」とか「精子 寿命 研究」とか、いろいろ検索したが、全然それらしいページにヒットしない。精子の寿命って、実は誰も実験してないんじゃないの?
さらに、産み分けを指導しているらしい産婦人科掲示板上で、驚愕のコメントを発見。X精子はY精子より寿命が短いという根拠を追及する質問者に対して、「杉山産婦人科院長」の回答。

すみませんが、「だいたいで・・・」とか、もう勘弁してください。だいたいでなんか言えば、それに反論するからきりがないし、時間もありません。20年以上前に動物実験で行われたようなことを聞きましたが、その論文は見ことがありません。人間では実験できません。排卵日より前に性交すると女児の方が生まれやすいから寿命は短いと言い伝えられていますし、きっとそうだとは思います。ただ、誤解されるのが怖いから、詳しいことはお答えしたくありません。

要するに、Y精子の方が寿命が長いという実験結果は、どうやら存在しない。あるとしても動物実験で、しかも専門の先生ですら論文を読んでおらず、詳細不明。信じる根拠は「言い伝え」。
精子の寿命を利用した産み分けも、どうやらオカルト、迷信、都市伝説の類だと思った方がよさそうだ。

(追記)うわ、XとYが反対だった。まあ結論はかわらないからいいか・・・