入院日記その2

自分が入ったのは4人部屋、のこり3人は要介護レベルが高そうな方々。例えば、オムツを換えてもらったりする必要がある。
看護士さん達は、私に対して申しわけなさそうだ。こんなとこしかなくてすみません、と。たとえば、対面の人は頻繁に野獣のようなうめきをあげ、結構な騒音だ。
いえいえ、ぜんぜん結構です。実際あまり気にならなかった。こういう人たちに比べれば自分などマシなのだ、耐えろ、くらいに思ってた。40度の熱と頭痛で、騒音を気にしてる状況じゃなかったし。

となりの人は、頭ははっきりしてそうだけど、ナースコールも自分で押せない。困ったときは、かすれた声で人を呼ぶ。

「おい、だれかいないのか。おい、だれかいないのか。さむいんだ。かぜひいてしまう。ふとんかけてくれ。おい、だれかいないのか(リピート)」

そんな細い声じゃ無理だよ。たまたま廊下を看護士さん通ったとしても聞こえないレベルだよ。いたたまれなくなって、アリかどうか知らないけど、自分のナースコール押してみた。

「どうされました?」
「となりの方が呼びたそうだったので」

しばらくして看護士さん着。一応お礼を言われたので、ナースコール代打ちはアリだったと判断。

その後、となりの人、オムツ換えてからしばらくしてだと思うけど、
「おい、だれかいないのか。ちんぽの皮が、はさまれて、いたい。ちんぽの皮が、はさまれて、すごく、いたいんだ。たすけてくれ。おい、だれかいないのか。(リピート)」
またもやナースコール発動してみた。今度はいそがしいのか、なかな到着しない。しまった、ちゃんと状況説明したほうが良かったか? ちんぽの皮がはさまれるのはそれなりに緊急事態だと思うし、知ってれば優先したかも。とおもいきや、到着した看護士さん、意外な事に別の患者さんの面倒から見る。本人の「ちんぽちんぽ」いう声聞こえてるのに。個人的にはとなりの人を優先して欲しかった。だって、オムツを換えた看護士さんにだって責任の一端はあるかもしれないし。

夜になっても「おい、だれかいないのか。おい、だれかいないのか。(後略、リピート)」
何度目かのナースコール代打ち。看護士さん到着。看護士さんが隣の人に向かって意外な言葉を。

「○○さん、となりのかた(私のこと)がおやすみなんです。静かにしてもらえますか。大丈夫ですよね?」
「・・・はい」

ええー?
私は別に迷惑してたわけじゃなくて、100%善意のつもりだったんですけど。あと隣の人も、「はい」じゃないでしょ。せっかく呼んだんだから要求伝えてよ。直前までいくつかリピートしてたじゃん。
その後、代打ち技封印。

翌日。
「ここ、やはりうるさかったですよね。となり開いたので移りましょう。」
といわれて引っ越し。同形の部屋だけど、たしかにずっと快適だ。だけど、クレームつけて引っ越し要求したみたいに思われてたらやだなあ。余計なお世話をやらかしてしまった。

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